Googleアナリティクスで使われるクッキー(ファーストパーティCookie)

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Googleアナリティクスが設定するCookieの内容は、重要な計測指標やキャンペーン計測、カスタム変数などの計測値と関係の深い情報となります。
なので、データを理解する上で重要!
ですが、なかなか全部を覚えるのは難しかったのでまとめました。

Cookieとは?
Webサイトの提供者が、Webブラウザを通じて訪問者のコンピュータに一時的にデータを書き込んで保存させるしくみ。Cookieにはユーザに関する情報や最後にサイトを訪れた日時、そのサイトの訪問回数などを記録しておくことができる。Cookieはユーザの識別に使われ、認証システムや、WWWによるサービスをユーザごとにカスタマイズするパーソナライズシステムの要素技術として利用される。(IT用語辞典より)

Googleアナリティクスは「ファーストパーティCookie」を利用している

Cookieは必ずドメイン属性を持つが、そのドメイン属性により、Cookieには2種類あります。

【 ファーストパーティCookie 】
ウェブサイトが置かれているホストドメインを属性に持つ。
自分が今訪問しているサイトドメインのサーバーから書き込まれたCookieがファーストパーティCookie。

【 サードパーティCookie 】
ホストドメイン以外のドメイン属性を持つ。
訪問しているサイトドメイン以外のサーバーから書き込まれたCookieが「第三者」意味合いでサードパーティCookieとなる。

サードパーティCookieの代表例

★「広告配信サーバー」から書き込まれるCookie
ウェブサイトを閲覧していて広告が表示されるとき、その広告のほとんどはサイトの情報が置かれているサーバーとは別の場所にある広告専用のサーバーから配信されています。
当然、ドメイン属性も異なります。
広告配信サーバーでは、広告を閲覧したユーザーの人数や配信した回数などを把握するために、Cookie情報をユーザーの端末に書き込み利用しています。

★ウェブビーコン型アクセス解析からのCookie
訪問者のアクセス情報を計測するために、解析サーバーから「ウェブビーコン(極小の画像データ)」が配信されます。
この解析サーバーからのCookieも、多くの場合、解析サーバーに置かれているドメインを属性に持ちます。

このように「第三者」サーバーから配信されるコンテンツやデータがある場合は、サードパーティCookieが利用されています。
通常、解析ツールではサードパーティCookieに訪問者に関する情報を書きこんで利用していますが、Googleアナリティクスでは例外的にファーストパーティCookieの領域にアナリティクスで利用するCookie情報を書き込んで利用しているそうです。

Googleアナリティクスが設定するCookie情報

Googleアナリティクスでは5種類のCookie情報を設定し、利用します。それぞれの目的によって記録される情報と有効期限が異なります。
内容をみていくと、訪問者数や訪問数などの指標やキャンペーン計測、カスタム変数の計測が、これらのCookie情報をもとに行われているのがわかりますねー。

_utma <ビジター ID Cookie>

このCookie情報によって個別の訪問者を特定できる。
この訪問者の訪問日時、訪問回数の履歴がわかる。
2年間アクセスが無かったら情報は破棄され、次の訪問は「新規訪問者」として計測される。

役割:ユニークユーザーの計測
【主な記録内容】

  • ドメイン名
  • ビジターID
  • 初回訪問日時
  • 前回の訪問日時
  • 今回の訪問日時
  • 訪問回数

_utmb <セッション ID Cookie>

セッション(訪問)を定義する情報を持つCookie。
ページ閲覧開始日時が記録され、ページを遷移するたびに情報が更新されます。
30分間情報の更新が無いと情報が破棄され、セッション(訪問)が終了したとみなされる。

役割:訪問の「開始と継続」の計測
【主な記録内容】

  • ドメイン名
  • 訪問中のページビュー数
  • ページ更新日時

_utmc <セッション ID Cookie>

_utmb と同様に、セッションを定義する情報を持つCookie。(テンポラリーCookieとも)
ブラウザを閉じると破棄され、セッションの終了を定義するために使われていた。
Googleアナリティクスのセッションの定義が変更になった(ブラウザを閉じて離脱しても、30分以内に戻ってきた場合はセッションが継続していると見なされる)ことを受けて、Cookie情報自体は残されていますが、現在は計測に利用されていない。

※現在は使われていない模様
【主な記録内容】

  • ドメイン名
  • ブラウザを閉じると消滅(現在使われていない模様)

_utmz <キャンペーンCookie>

参照元情報を持つ訪問について、その訪問日時や訪問回数を記録。
広告計測タグ設定したときの計測タグ情報はここに記録され、有効期限は6ヶ月間。
この情報によって、広告経由の訪問から6ヶ月以内の再訪問の行動については、その広告と関連づけた計測を行うことができる。

役割:参照元情報の計測
【主な記録内容】

  • ドメイン名
  • 訪問日時
  • 訪問回数
  • リファラー以外からの訪問回数
  • 参照元詳細(campaign、source、medium、content、keyword)

_utmv <ビジターセグメンテーション Cookie>

ユーザー定義やカスタム変数の設定をした場合、その計測情報はここに記録される。
ユーザー定義、カスタム変数は、いずれも一定の条件を満たした訪問者をセグメントして計測するための機能。

役割:ユーザー定義カスタム変数の計測
【主な記録内容】

  • ドメイン名
  • ユーザー定義の値
  • カスタム変数の変数と値(ユーザーレベルのみ)

ファーストパーティCookieを利用することのメリット・デメリット

GoogleアナリティクスがファーストパーティCookieを利用する理由は、訪問者の訪問や閲覧データをより多く、正確に取得したいため。

【メリット】訪問者の訪問や閲覧データをより多く、正確に取得できる。

ブラウザによっては、サードパーティCookieに関して、ユーザによる許可設定がなければ受け入れできないものがあったり、ユーザーが設定でサードパーティCookieの受け入れを許可してい無い場合もあります。
その場合、サイトへの訪問を計測できない場合があるため、Googleアナリティクスはより正確にデータを取得するためにファーストパーティCookieを利用しているようです。

【デメリット】訪問者が他のドメインコンテンツへ遷移したときはCookie情報を利用できない

ECサイトでショッピングカートに外部システムを使用している場合、多くはドメインが異なるためファーストパーティCookieが利用できず、元のCookie情報が受け渡されないため正しい計測ができなくなります。
また、サブドメインのコンテンツがある場合も、ドメイン属性が異なるため同様のことが起きます。(サードパーティCookieを利用している解析ツールは、この部分は問題無し)

上記のようなデメリットに対して、Googleアナリティクスではトラッキングコードのカスタマイズによって計測を可能にできます。

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