12/21に北九州で行われた「商店街を参加型デザインで変えるUXワークショップ(UX Fukuoka vol.14)」に参加してきました!
場所は北九州市小倉北区にある「魚町銀天街」。
参加型デザインで『商店街に訪れる体験』について考える、というテーマで思いっきり地元ということもあり、興味津々でした。
▼ワークショップについての詳細はこちら
http://uxfukuoka.info/seminar/uxf14.html
今回、浅野先生の講義を初めてお聞きましたし、「参加型デザイン」というものも初めての体験でした。
正直「UXとは何ぞや?」というモヤっとした知識しかない私は今回のワークショップに参加するのが不安だったのですが、そんな不安も何のその、本当に素晴らしい体験ばかりで有意義な1日を過ごすことができましたー!
またもや私の脳みそでは理解できないことばかりだったのですが、そんな状態でも凄く楽しかったので当日のレポートと自分用メモをまとめてみました。
「自己紹介禁止」でスタート
A〜Fチームまでの6チームで、1チーム最大5人(最小人数は3人)のチーム分けがされていました。
ちなみに私はBチーム。
他の勉強会と違って驚いたのが「自己紹介は絶対しないでください。名前だけは教えて大丈夫です」というルール。
通常だと名前を名乗って名刺交換してチームメンバーと仲良くなってから…なんですが、今回は「わざと」その部分を禁止されてました。
この理由は一番最後に明かされますw(これも「なるほど!」と思った仕掛けの一つでした)
前半は浅野先生の講義でした。
私は浅野先生の講義を初めてお聞きしたのですが、「UXとは何ぞや?」というモヤっとした知識しかない私でもわかりやすくとても楽しい講義でした!
スライドを用意されていない内容も含め、本当に目からウロコな内容ばかりでした。
以下、自分用にメモった内容です。
サービスデザインとは?
<台湾の高速鉄道を例に>
利用者:早く快適に目的地に着きたい
→モノを作る人や商売する人は、そこを考えていない人が多い
・開発思考:予算、時間が限られている。
ユーザーエクスペリエンスデザインとは?
「全てはサービス」(寿司屋の場合、寿司のみでなくサービスや雰囲気も含めた全体)
- スタバは「第三の場所」を提供(単なるコーヒー屋ではない)
→第三の場所とはホッと出来る場所のこと(第二の場所は会社or学校) - その場(地域)の人が欲しいものは現地に住まないとわからない。
ex:ニンテンドーとソニーの話
UXとは?
「ユーザー体験」
そのサービスによって「楽しかった」「嬉しかった」→「よかった」と思う
参加型デザインとは
デザイナー・利用者・顧客・セールス部門などの背景知識(言語)の異なる専門性を持った利害関係者が積極的に関わることを目的とした民主的デザインアプローチ。
→「上の人がいったから従う(やる)」というのはナシで
参加型デザインの目的
意見を受け入れる土壌を作る。
ブランディング
・売り場で商品を選ぶ→選挙のようなもの
これからは使ってどうだったか?が大事。
エスノグラフィ
19世紀後半くらいから発展途上国の人と一緒に生活して自国に報告するのが流行った(雑誌掲載など)
文化人類学(日本だと小泉八雲)
映画の例:ダンス・ウィズ・ウルブズ、アバター
エスノグラフィは「本物」を観察。
参加型デザインはリードユーザーを使う。
- 人間はインタビューで嘘をつく(時間が経つと嫌なことは忘れるので)
- その行動をやった瞬間しか真実を語らない
- 自分が実際に参加して体験しないとわからない
- ピンポイントの質問はNG(真実がわからない)
- 人間は以外と自分の行動を説明できない(無意識の行動が多いらしい)
- 行動や思考には迷いがある。が、声に出した中に答えがある。
- 「仮説」と「問い」は違う。仮説はバイアスがかかるから要注意。
- ある特定の人向けに制作されたモノがいい(万人受けはありえない)
観察法(シャドーイング)
ストーカーのように被験者の後について観察を行う。
→被験者は観察されていることを知っているので本来の行動をとりにくい短所もある。
思考発話法
被験者が考えていること、思ったことを常に声に出してアナウンスする。(説明ではない)
→どのような思考で行動しているか、何を不快に感じているかなど観察者がわかる。
問題と原因のヒントを得るキッカケ。
このあと、チーム内で「ペルソナ」を作成しました。
「ペルソナ」作成時は背景(職業や家族構成など)をしっかり考えると深みが出るということと、キャッチフレーズをつけると良いとアドバイスをいただきました。
今回は2名のペルソナを作成。
フィールドワークを行う注意点など説明があり、2時間のフィールドワークに。
フィールドワーク(2時間)
移動可能なエリアは「魚町」〜「旦過市場」。
今回のワークショップは観察対象者が2名で、残りの人が観察者でした。
私は「観察される側」だったので、作成したペルソナ通りになるよう結構頑張って行動したつもりですが…「俳優さんってすごいなぁ」なんて思ったりしてましたw
ちなみに私たちのチームは4人チームでしたが、フィールドワーク中に一人用事があるとのことで帰られてしまい、観察者が1名になるハプニングもありましたが、何とか2時間乗り切れましたよ!
カスタマージャーニーマップの作成
フィールドワークから戻った後、カスタマージャーニーマップの作成です。
私たちBチームが作成したカスタマージャーニーマップはこんな感じ!
行動(アクション)・感情(感じたこと)・思考(考え)を付箋の色を変えて記述しました。
「満足」と「苦痛」がパッと見てわかります。
一番下は「感情起伏線」。
今回は2名のペルソナの感情が同時に落ちた部分についての改善案を出し、最後に各チームでプレゼンしました。
なぜ初めに「自己紹介」してはいけなかったのか?
今回のワークショップには「行政・教育関係者」、「商店街関係者(サービス提供者)」、「学生」、「デザイナー」、「プログラマー」、「街おこし関係者」と業種も年齢も性別も違う人たちが参加していたとのこと。
先に身分を明かしてしまうと「これはこの人の前で言ったらまずいな」など自分の意見を言わなくなる(言えなくなる)ので自己紹介は禁止だったそうです。
最後に
今回のUX勉強会に参加して思ったのは、学生が多く参加していたことと、年配の方もおられたこと。
いままで色々な勉強会やイベントに参加してきましたが、これほどまでに年齢も業種も違う人たちと同じ分野を思考し学ぶという経験は初めてでした。大変貴重な体験をさせていただいたなーと思います!
私のチームはとてもやりやすかったのですが、最後に「教育関連」と「街おこし関係者」の方と聞いて納得。
チームメンバーにも恵まれたし浅野先生の講義では多くの気付きがあったし、丸一日のワークショップでしたが本当に本当に楽しかったです!!
今回のワークショップに参加することで、これまで「当たり前」と思っていた考え方が「開発思考」だったことや「なぜモノが売れる企業と売れない企業があるのか」いう点が特に目からウロコというか大きな気付きだなーと感じました。
また今回の勉強会はとてもスムーズに進行されていたのですが、運営スタッフの方達の苦労は尋常ではなかったな…と感じました。
本当にお疲れ様でした!そして素晴らしい時間をありがとうございました!
次回のUX勉強会も楽しみです♪